曙効果の次は…

 今日は後楽園ホールで全日本プロレスの特別興行。曙は出場しなかったものの、その代わりに会場を爆発させるニューフェイスが現れた。チーム3Dこと、あのババ・レイ&ディーボンの元ダッドリー・ボーイズだ。
 ファンは最初からノリノリ。第5試合で本間&諏訪間と対戦したが、ゴングと同時に「ウィ・ウォント・テーブル!」の大合唱。ここはECWか、あるいはWWEか!? 何せファンとのコミュニケーションが重要視されるECW、WWEでトップを取っていただけに、2人はファンを掌に乗せることなど朝飯前。本間、諏訪間それぞれに3D(ダッドリー・デス・ドロップ)をお見舞いする大サービスだ。
 ファンがもっとも見たがっていたパワーボム・オン・ザ・テーブルは出なかったが…これは、もったいをつけただけのこと。2日後のW-1GPを見据えたメインの武藤&石森VS健介&中嶋の試合後に、この日のクライマックスが待っていた!乱入するブードゥー・マーダーズ。そこに現れたチーム3D。ここで世界一の嫌われ者YASSHIにパワー・ボム・オン・ザ・テーブルが炸裂したのだ。
 諦めていた技が、最後の最後に思いがけない場面で見られるなんて…。これで後楽園ホールはバクハツ。メインの熱闘を、この1発が吹き飛ばしてしまった。
 それが許されるのが今の全日本プロレス。逆に言うと、メインがいい試合でなければ、最後の3Dの出現も生きなかった。会場のムードは、まるで強豪外国人、まだ見ぬ強豪にファンが熱狂した古き良き全日本プロレスのようだったから、不思議。団体はまるっきり変わってしまったが、その遺伝子は形を変えて残っているのである。

フリーとしての良識

 今日の内外タイムスの紙面で、中嶋勝彦のW-1GP出場についての記事を書いた。これもフリーの活動の一環である。今後も同紙には原稿を書いていくことになると思う。
 だが、フリーと言っても、どこにでも書くというわけにはいかない。そこには自分なりのルールを作っている。まず第一に、私の基盤となっているのは週刊ゴング。ゴングにマイナスになる活動はしたくない。それに何でもかんでも仕事を受けるという気はない。ギャラがよくても断らざるを得ない仕事もあるし、多少、ギャラが少なくても「やりたい!」という仕事もある。会社員のような制約がない分だけ、自己管理が重要。自分を生かすも殺すも、すべて自分の姿勢次第なのだ。
 今、リング上では天龍さん、健介、鈴木みのるがフリーな立場でいろいろな団体に上がっているが、感心するのは、その団体に上がる時には他団体の匂いを消して、その団体の闘いに集中していること。新日本9・17三重大会に取材に行った時、鈴木みのるにW-1GPについて聞きたかったが、
「今日は新日本なんで、答えられないですね。オフの時に聞きに来てください」
と、断られてしまった。この姿勢は翌日のノア日本武道館大会の時も同じ。このけじめ、団体への気配りはさすがである。だからこそ、鈴木みのるは引っ張りダコなのだろう。
 フリーは毅然たる態度と姿勢、良識を持っていなければ、流されていくだけだ。
 
 

夢見る心

 ちょっと古い話になってしまうが、25日の日曜日に東京・狛江市の坂口道場完成披露パーティーに出席した。坂口さんの63歳になっての夢の実現。素晴らしいことだと思う。
 何より素晴らしいのは、その坂口さんの夢を奥さんの利子さん、長男の征夫さん、次男の憲二君がバックアップしていることだ。スタッフには元週刊ゴングの編集部員で、その後に新日本プロレスに転職した山本貴弘君もいた。そういえば山本君は一昨年の暮れに週刊ゴングで坂口さんと天龍さんの対談をやった時に坂口さんのお付きとして来ていたし、事務所ではいつも坂口さんと昼食を摂っていた。きっと坂口さんの人間性に魅せられているのだろう。
 正直なところ、この坂口道場が具体的に何を目指しているのかはわからない。でも、昔からやりたかったことを、こうして実現できたのは喜ばしい限り。やっぱり坂口さんを支えているのは柔道であり、プロレスなんだなあと実感させられた。坂口さん、おめでとうございます!

熱血!小笠原先生

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 昨日の『NEWS侍!』には、ゼロワンMAXで空手軍として活躍している小笠原和彦がゲスト出演してくれた。40過ぎてプロレス大賞の新人賞に選ばれたり、ゼブラーマンになったりと、ユニークな人という印象があったが、実際に会ってみて、すごく真っ直ぐな“いい人”だということがわかった。
 空手時代からプロレスが大好きだったという小笠原先生は空手軍を名乗りながらも、プロレス愛に満ちている。だから、どの試合にも真剣に取り組むのだ。明後日の新木場大会では松永光弘と一騎打ちを行なうが、松永の凶器ざんまいのファイトのVTRに「ウワーッ」と顔をしかめていたのが印象的。
 それでも「何をされても覚悟はできていますよ。空手で100戦以上やって修羅場はくぐってきているし、橋本(真也)さんともいきなり一騎打ちをやった自分ですからね!」と気合い十分。
 考えてみれば、空手軍団は、この小笠原先生(なぜか先生と呼んでしまう雰囲気がある)、青柳館長、松崎(和彦)クンと“いい人”と呼べるメンバーばかり。でも“いい人”が怒ったら、怖いぞ!

やられた!

 今日は後楽園ホールでGAORA全日本中継の解説だったが…ブードゥー・マーダーズにやられた!
 ドラゴンゲートの実況もやっているためか、いつもTARUの標的になっている松崎アナ。今日もTARUは入場するや、自慢の650(ムチ)で松崎アナをメッタ打ち。ここまでならいつものこと(?)だが、何と次の瞬間、赤い毒霧を噴射したのだ。私はシャツ、ネクタイ、スラックス、取材用ノートに浴びただけで済んだものの、顔面を直撃された松崎アナは医務室へ。
 実況アナ不在で中継はどうなるのかと思いきや、何と足を骨折して欠場中のYASSHIが勝手に放送席に座り込んで実況を始めてしまったから、もうムチャクチャ。
「このカス野郎!」から始まって、放送禁止用語を連発するYASSHI。もはや実況中継というよりは、YASSHIと私の口論になってしまって、果たして放映できるのか不安…。でも、正直な感想としては、YASSHIの喋りはうまい!
 問題は試合後。シャツもスラックスも赤い毒霧がかかって、まるで返り血を浴びたような感じ。とてもじゃないが、これでは電車に乗ったりできない。阿部リングアナにTシャツを貰い、下は会場近くの量販店で短パンを買って何とかしたが、今後は中継がある時には、いい物は着れないし、着替えも持ってこなくては。実は一番、ショックだったのは、お気に入りのハワイアン・ネクタイが毒霧の餌食になってしまったこと。今日のダイアリーは…まあ、そういうこっちゃ!(TARU口調)

11年ぶりのお酒

 昨日、11年ぶりに三沢光晴とプライベートでお酒を飲んだ。私と三沢が一番密接だったのは92年~94年夏まで。この期間、私は全日本に出入りしていなかったため、2人の間に仕事の関係がまったくなかったから、完全なる飲み友達だった。その場には浅子や井上雅央もよくいた。浅子、雅央は私が全日本担当記者を降りてから全日本に入門してきた選手。つまり、顔見知りになったのはプライベートな場だったわけだ。
 94年8月、私は週刊ゴングの編集長に就任。以後は仕事の間柄となり、私も三沢も忙しくなってしまったから一緒に飲むことはなくなった。現在はノアの社長と取材する人間の関係である。三沢の私に対する態度は変わらないが、私は「三沢社長」と呼んで、敬語で話をする間柄。三沢がプロレス業界のリーダーに成長したのは嬉しくもあり、反面、寂しくもありという感じだったが…昨日は「小佐野クン」「みっちゃん」に戻ってのお酒。
 昔、一緒に飲んでいたお店はなくなってしまったけれど、久々に上野に繰り出して、仕事の話は一切抜きで楽しく飲めた。振り返れば、こうして飲むのは週刊ゴングの編集長になる前だから、11年ぶりのことだったかもしれない。
 みっちゃん、昨日は楽しかったよ! これからまた、お互いの立場で頑張りましょう!

谷川氏の才覚

 今日、午後3時にFEGの谷川代表と曙がノアの事務所を表敬訪問し、10・2国立代々木体育館第一競技場で開催されるW-1GPで三沢&小川良成VS曙&スコーピオが行なわれることが正式に決定した。
 ノアのリングに上げたい、完全なるノアの空間で曙に試合をさせたいという谷川代表の希望をノアの三沢社長がすべて呑んだのわけだが、そうした発想をする谷川氏はさすがだと思う。
「今、曙選手は全日本の武藤さんのところで修行をしていますが、今度はプロレス界でもっとも輝いているノアさんも体感させてあげたい。パートナーとしてはK-1の選手や全日本の選手も考えましたが、あえてノアさんの選手にしていただいて、純粋にノアというものを曙選手に感じてもらいたいというのが私の希望です。プロレスは奥深いものだと思っていますので、できる限り、より多くの経験を積むことが曙選手の財産になると思います」
 と谷川代表の経緯説明はピシッと筋が通っていた。記者会見でも、自ら経緯を説明した後、「三沢さん、お願いします」「曙選手、抱負は?」「何か質問はありますか?」と、まるで司会者のようにスムーズに進行。元々、紙媒体の人だから、記者が何を求めているかを理解しているのだ。
 その姿を見ると、今の仕事が本当に合っているのだと思う。今の谷川さんにかつての編集記者者の匂いはない。マスコミ心理を熟知した切れ者のプロデューサーという感じである。この人がいる以上、K-1は侮れないぞ!

イメージと現実のギャップ

 今の私は会社というバックボーンがないフリーの身。とりあえず肩書きは“編集企画ライター&コメンテーター”ということになる。知り合いの中には「へえーっ、フリーのスポーツ・ジャーナリストですよね。何かカッコイイじゃないですか」と言ってくれる人もいるが、多分、私の生活は想像してくれているようなものとは違うはず。
 だいたい、マスコミというとカッコイイというイメージがある人が多いようだし、何年か前に福山雅治主演の月9ドラマでプロレス記者を題材にしたものがあったけど、あんなお洒落な生活が送れるはずがない。特に若い記者は食べるのと、寝るのと、風呂に入る時間をどう確保するかが最重要事項なのだ。
 先週末の私の生活もきつかった。17日の土曜日は4時間半かけて三重県営サンアリーナに行って新日本の取材。試合後に伊勢市のビジネス・ホテルにチェックインし、まずは食料の確保のために近くのコンビニでオニギリとお茶、ビールを購入。モバイル・ゴングの試合速報の原稿を仕上げてから、週刊ゴングのカラー・グラビアを作り、終わったのが午前5時。ここで買っておいたオニギリとビールで夕食(朝食?)を取ったのはいいが、なぜか私の部屋だけ冷蔵庫がなくて、ぬるいビールを飲む破目に。6時ごろ寝て10時に起きるとシャワーを浴びて11時にチェックアウト。またまた4時間半かけて東京に戻り、東京駅から日本武道館に直行。ノアの追い込み作業をやって家に着いたのが午前3時過ぎだ。
 そして今日も昼前に起きて依頼原稿を仕上げた。これで夜は『NEWS侍!』に出演する。そして家に帰ると、日付が変わっているのだ。でも、こういう生活って実は嫌いじゃない。仕事をバリバリやれるっていうのは幸せなことだ。だって、いくらやる気満々でも仕事がなくちゃ、何もできないもんね。これって、レスラーが「上がれるリングがあるのは幸せ」というのと、同じ感覚かな?
 

嫌われ者の時代

 今日はノアの日本武道館大会。力皇VS三沢には考えさせられるものがあったし、小橋&田上VS秋山&天龍は随所に面白さ満点だった。だが、ひとつ話題をあげるとすればGHCジュニア戦のKENTAとSUWAの試合だ。
 あのノアにあって、SUWAのワルぶりは筋金入り。一度は1分34秒で反則負けとなって場内騒然。再試合となっても立会人のジョー樋口さんをいじり、アイドルKENTAの金的をあらゆる手段で攻撃した。16500人の大観衆を本気で怒らせたのだから大したものだ。
 もはやヒールなどというプロレス用語の枠を超越した、悪役というよりも嫌われ者。本当の嫌われ者がいることでベビーフェイスが光るのである。今、本当に嫌われ者と言えるのは、このSUWAと全日本でVMとして暴れるYASSHIぐらいか。それを考えると、この2人を輩出したかつての闘龍門、今のドラゴンゲートは素晴らしい!

新日本・三重大会

 今日は新日本の三重県営サンアリーナ・サブアリーナの取材。9日前の宇都宮に行った時には東京ドームのカードがまったく出てないためか、選手のモチベーションも上がらず“明日が見えない大会”だったが、今日はドーム発表第1弾の翌日とあって活気が出てきた。
 元WWE戦士との試合が決まった永田と中西は「これは元WWEじゃなくて、かつて日の丸を背負って世界と闘った者が再び集まったチームJAPANが、再び世界と闘うということ」と解釈しているのはいいことだし、ブラックとのIWGP&NWAジュニア統一戦が正式決定したタイガーも乗っていた。ゼロワンMAXとの対抗戦に乗り出す金本&井上亘も元気いっぱいだ。
 今の新日本を見ていて、一番しっかりしているのはジュニア戦線。7・25新潟におけるIWGPジュニア・タッグ戦に向かって本隊とCTUが一丸となって闘っているのだ。こうした日々のせめぎ合いが本番での濃密な試合につながるのである。
 とにかく東京ドーム大会は業界全体から見てもコケられたら困る。あと3週間…どう盛り上げていくのか注目したい。そして厳しい目を持ちつつ、協力していくことがプロレス・マスコミの務めだと思う。